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夢の話・観音様

私が小学生の頃、今から約20年前の頃だったと思う。母が不思議な夢を見たと親戚のおばちゃんに話しをしていたのを横で聞いていて
ひどく印象的だったので、覚えている。まるで、アラジンと魔法のランプみたいだな〜と思ったのだ。
私の記憶どおり聞いた話を、そのまま紹介します。(山口弁を標準語に直しときます。)

母 「あのね、私不思議な夢をみたのよ。」
おば 「どんな夢?」
母 「今から、半年前夢の中に観音様がでてきて、「静江、お前は毎日、本当によく頑張っているから、望みを一ついいなさい。
その望みを叶えてあげよう。」と言うのよ。」
おば 「それで、なんと答えたのよ。」
母 「夢の中でもうびっくりしちゃって、何にも答えられなかったら、さ〜って消えていったの。」
おば 「もったいない!何か言えばよかったのに。」
母 「それが、その2ヶ月後ぐらいに、また同じ観音さまの夢をみて、また同じように望みを一ついいなさいと言うのよ。また、びっくりして
何も答えられなかったら、またさ〜っと消えていったの。」
おば 「本当にもったいない!嘘でもなんでもいいから言えばよかったのに!」
母 「それが、この間、また同じ観音様の夢をみてね、今度は思い切って言ったのよ。」
おば 「なんて言ったの?」
母 「もう、とっさに「美空ひばりに会いたい!」って観音様に言ったら、「分かった」と言って、また消えていかれたの。」
おば 「え〜,もっとすごいの言えばよかったのに〜!」
母 「それがね、その3日後ぐらいに、近所の人から、美空ひばりのコンサートチケットがあるから、一緒に行こうって誘われたの。」
おば 「うそ!じゃあ、本当に美空ひばりに会えたんだ。観音様の夢は本当だったんだね〜。」
母 「それが、結局なんでか忘れたけど、その話断ったんだ。」
おば 「え〜,なんで〜。・・・でも、私だったら、宝くじに当たりますようにとか答えるけどねえ・・。」

・・・・・・・てな話だった。
(望みを叶えてあげるというのが、魔法のランプの魔法使いが3つの望みを叶えてあげるって話にそっくりだ〜。
私だったら、本屋をまるごと一つ私に下さいっていうな〜)とか思ったのを覚えている。
しかし夢の中に出てきた観音さまも、結局なんの意味もなくなってしまってカワイソウ。しかし、母ももっとビッグなお願い事すればよかったのに。

この母は子供の私からみてもちょっと謎めいた人だ。超分かりやすいおしゃべり父と違い、自分のことは、子供達にはいっさいしゃべらない。
泣き言も言わない。
母とは18年間一緒に暮したけど、風邪で寝込んだ姿は一回も見た事がない。父はしょっちゅうだった。
山陰の寒い真冬でも下着と薄い長袖の服一枚で、元気に動き回っていた(現在も)。今思えば、本当にすごい・・。
そんな母も19才の時、膵臓か、腎臓の大病を患って、生きるか死ぬかの瀬戸際に合った時期があったらしい。
その時、三途の川も見たらしい。多くは話さない母なので、詳しくは聞き出せなかったけど、その川には橋がかかっていて、とっても
奇麗な場所だったそうだ。もし、その母がその橋を渡っていたら、現在の私はこの世に存在していなかったかもしれない。
来月は、母の日だ。よし、親孝行しよう。

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